計測と制御 2026年3月号 内容紹介
リレー記事「FACE the future」
《第86回》触知覚 黒木 忍(NTT) |
特集 時系列AIの最前線-基礎理論から
社会実装まで |
[総論] 時系列AI研究の世界的な動き
岡本 有司(京都大) |
[解説]
健康モニタリングにおける時系列データの
現状と異常検知へのAI技術の展開
小清水 宏(オムロン ヘルスケア) |
[解説]
サロゲート勾配法による深層スパイキング
ニューラルネットワークの学習
酒見 悠介,竹内 知哉(千葉工大) |
[解説]
時系列基盤モデル入門
岡本 有司(京都大) |
[解説]力学系に基づいたサンプリング・
探索アルゴリズム
山下 洋史(大阪大) |
[解説]
連合学習システムの構築と社会実装まで
大塚 教雄,奥野 恭史(京都大) |
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特集 さいす学とふぇす化
-壁を超え,未来へつなぐSICEの新たな試み- |
[巻頭言] SICEを革新する
「さいす学」と「ふぇす化」
大須賀 公一(大阪工業大) |
[展望] さいす学とふぇす化
-融合・学際研究からの考察-
三平 満司(科学大) |
[展望] さいす学とフィジカルAI
安井 裕司(本田技研) |
[展望] 計測部門関連講演会に見る
さいす学とふぇす化
大串 浩司(産総研) |
[展望] 制御部門マルチシンポジウムに見る
さいす学とふぇす化
伊藤 博(九州工業大) |
[展望] システム・情報部門学術講演会に見る
さいす学とふぇす化
小林 祐一(静岡大) |
[展望] 深化と横断
-SI部門にみる「さいす学」と「ふぇす化」の実践-
平田 泰久(東北大) |
[展望] 産業応用部門大会に見るさいす学
澤田 満(理化工業) |
[展望] ライフエンジニアリング部門
シンポジウムに見るさいす学とふぇす化
田中 慶太(東京電機大) |
[展望] 支部活動に見るさいす学とふぇす化
池田 篤俊(近畿大) |
[展望] 会誌出版委員会のふぇす化について
小木曽 公尚(電通大),来海 暁(大阪電通大) |
[展望] 和文論文集のふぇす化に向けて
亀﨑 允啓(東京大) |
[展望] 英文論文集の国際化に向けた取り組み
永原 正章(広島大) |
[展望] 「産学の架け橋」をめざす
インダストリ委員会
安井 裕司(本田技研) |
[展望] そもそも,
SICE-DIAってふぇすだよね?
鈴木 高宏(麗澤大),松山 科子(東京エレク
トロン),大矢 純子(東芝),小野 功(科学大),
浅井 徹(中部大),家入 祐也(早稲田大),
南 裕 樹(兵庫県立大),清水 佳子(電中研) |
[展望] SICE事務局から見守るさいす学とふぇす化
結城 義敬(SICE事務局) |
[展望] 2025 SICE Festival with Annual Conferenceを実施して
-「ふぇす化」の可能性と課題-
大石 泰章(南山大) |
[展望] SICE FES 2024 in Kochi
-ふぇす化は全てここから始まったが,
嵐を呼んでしまった-
寺田 賢治,池田 建司(徳島大),
園部 元康(高知工科大),栗原 徹(高知工科大) |
[編集後記] 「さいす学とふぇす化」
-学会という“場” を未来へ手渡す-
大須賀 公一(大阪工業大) |
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[部門だより]
第12回制御部門マルチシンポジウム報告
奥 宏史(大阪工業大) |
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このたび,計測自動制御学会(SICE) の第65 期会長を拝命いたしました.何卒よろしくお願い申し上げます.
公益社団法人計測自動制御学会(SICE: The Society of Instrument and Control Engineers) は,64年の長い歴史をもつ学会であり,計測と制御からはじまり,現在は,情報,AI,システム,国際標準化など,さまざまな領域へその活動を広げ,その理論や技術を横断的に用い,アカデミアの世界(以下, “学” )と産業界(以下, “産” )を牽引してきました.第64期SICE 会長の大須賀公一氏は,幅広い領域をカバーするSICE がめざすものとして“さいす学(SICEology)” を提唱し,それを『モノゴトを巧みに操りたいという欲求を満たすために,あらゆる方法論を取り込み,融合し,常に新たな学問領域を追求する学問』であると語るとともに,今後の発展を考え,明確な定義はせず,『SICEの会員のそれぞれが自ら自由に考え,それをもって様々は活動をしてほしい.』と語っています.
私はこの“さいす学” がこれからの社会における様々なシステムを支える牽引力となるのではないかと考えており,その定義を『それぞれの部門がもつ最先端の要素技術・理論を持ち寄り,システムとしての価値を考え,集い,考えること』としています.
システムの制御手法は,機械式制御からアナログ制御,さらにデジタル制御へ進化し,現在はより複雑で大きなシステムを高度に制御することが求められ,そこにAIの活用が始まっており,
“フィジカルAI” と呼ばれるものに進化してきています.このシステムは,センサを用いた計測からアクチュエータを使った制御まで,物理的なハードウェアを含んだものが多く,そのシステムを意のままに制御するには,ハードウェアからソフトウェアまで,幅広い領域の理論や技術,つまり,
“さいす学” が必要になります.
システムの制御が“フィジカルAI” へ進化した今こそ,SICEは,その更なる進化をリーディングしていくべきと考えます.このため,SICEは,
“フィジカルAI” を『SICEが“さいす学” をもって,部門を超えた学会全体として取り組むべきチャレンジングな研究・開発テーマ』とし,第65期より『さいす学×
フィジカルAI』に関するさまざまな活動を開始しており,今後もさらに活性化していきます.
“フィジカルAI” は,社会実装してこそ価値のある技術です.その実現には“産” と“学” の協調が必須となります.ところが,1980年代から1990年代にかけては“学”の世界に多くの“産”
の人々が参加していましたが,2000年以降,経済や技術に関するさまざまな要因により,SICEだけでなく“学” の世界から“産” の存在感が薄れていき,今もその傾向は変わらない状況が続いています.
「“産” にとって“学” の世界は必要なくなったのか?」のような声が聞こえてきますが,実はそのようなことはなく,“産” が“学” へ求めているものが変わってきているように感じています.現在はインターネットが普及し,学術講演会に行かなくても論文を手にいれることができます.このため,タイムパフォーマンスを重要視する“産” の人々が技術情報を得るために学術講演会へ参加しなくなってしまった.ところが, “産” の職場では,自分の担当する技術に関して相談できる専門家や仲間がいることは稀であり, “産”の多くの人が技術に関して相談・語れる場を切望しています.
一方, “学” からも「世の中で役に立つ研究をしたい.でも,今やっている研究の課題設定が未来の社会のニーズにあっているのか, “産” が求めているものなのかわからない.もっと情報が欲しい.」という声も聞こえてきています.第61期SICE
会長の新井弘志氏はSICE が“産”と“学” の架け橋となるべきとSICE Industry の活動を起こし,大須賀氏はSICEの「ふぇいすてぃばる化(ふぇす化)」を提唱しました.私はここに新たなSICE
の在り方のヒントがあるのではないかと考えています.SICEは,これまでの学術講演会や論文出版などの学術的な活動に加え,“産” と“学” の人々が集い,『さいす学』について“語れる場”
を提供していくべきなのではないか.これが産学の架け橋となり,『さいす学× フィジカルAI』の活動をさらに活性化していくのではないかと考えています.
今期,SICEを『語れる学会』とすべく,さまざまなチャレンジをしていこうと考えていますので,皆様の賛同とご協力をお願いいたします. |
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